
・子供の運動不足の影響は深刻で、転んだ時にサッと手が出ないため、「顔面制動」(転んで地面に顔から突っ込むこと)を起こし、ケガする子供が増えております。理由は、体幹が鍛えられていないから。・子供の姿勢が悪く、姿勢の悪さは、健康、脳に影響します。
・発達障害は増加の一途。・「いじめによる自殺」・「学級崩壊」・「小一プロブレム」等。
また、中・高校生の電車の中での化粧、路上での地べた座り、社会人になっても挨拶がきちんと出来ない等マナーの乱れが多く指摘されております。
マナーキッズプロジェクトは、このような、子供・若者状況の是正に向けて、その一助になることを設立の趣旨に据えており、原点は、平成8 年12 月に開始した早稲田大学庭球部小学生テニス教室です。その後、いろいろな方々との偶然の出会いや縁から、平成17 年4 月、公益財団法人日本テニス協会幼稚園・小学校マナーキッズテニスプロジェクト、平成19 年6 月NPO法人マナーキッズプロジェクト(平成22 年3 月認定NPO法人)、そして、平成26 年10 月に公益社団法人マナーキッズプロジェクトに移行しております。
今までに、国内47 都道府県及び台湾、マレーシアにおいて、600,000 人を越える幼稚園園児・小学校児童が参加し、448 幼稚園・保育園、小学校の授業として採用されましたが、まだ極一部です。飛躍的に参加者を増やしたいと考えておりますが、そのハードルは非常に高く、大きな壁が立ちはだかっております。
平成29 年度、横浜市教育委員会西部学校教育事務所が、管内20 小学校において、マナーキッズ体幹遊び教室を実施することになり、横浜市全域及び全国への波及を期待しておりました。しかし、小学校道徳教科に関連し、マナーキッズプロジェクトが実施している美しい姿勢、挨拶と同じやり方のイラストを掲載している教育出版社裁定に反対する団体が、矛先をマナーキッズプロジェクトに向け、美しい姿勢、挨拶を外部指導することに対し教育委員会宛に抗議活動を行い、教育委員会がそれに屈するという事態が発生しました。
壁突破の方策として、次の諸施策を実施中です。
マナーキッズ体幹遊び教室は、幼稚園・保育園の年少組から始めればいいと考えておりましたが、山梨県甲斐市あおぞら保育園から「3 歳児では遅く、0 歳児から始める必要がある」旨の報告書を受領したのを契機に、令和元年9 月に冨山房インターナショナルより「0歳からの体幹遊び」を発刊しました。
それに関連し、従来のマナーキッズ講師養成講習会に加え、「0 歳からの立腰・体幹遊び」講師養成講習会を展開します。教育哲学者森信三氏提唱の立腰教育の一般社団法人実践人の家、NPO 法人人の土台つくり及び一般財団法人食と健康財団のご協力を得て、立腰、美しい姿勢・挨拶、体幹遊び、「マナーキッズ」調べ、食と健康(健康の鍵は5 歳位までに決まる腸内細菌)を柱にしております。それに、病気知らずの子育て(冨山房インターナショナル発刊、西原克成医学博士著)の「忘れられた育児の原点、母乳中心、おしゃぶり、ハイハイの大切さ、昭和41 年(1966 年)まで、世界で最もすぐれていた日本の子育て」を紹介します。3 歳からでは遅い、0 歳から乳幼児、児童の発達に応じた寝返り、四つばい等の体幹遊び、立腰(腰骨を立てる)等により、人間形成の礎石となる「三つ子の魂」を育みます。令和2 年3 月29 日(日)早稲田大学において開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期しております。体育・身体活動・スポーツを通じた健康で豊かな社会・人づくりの実現に向けて相互協力で合意書を締結した学校法人日本体育大学を通じて各自治体及び教育再生首長会議加盟自治体他に参加を呼びかけております。
日本の伝統文化とのコラボも実施中です。「ヘルス&マナーコミュニティ」(中学校区をモデルに幼稚園・保育園、小学校、中学校他においてマナーキッズ教室、マナーキッズ体幹遊び、「マナーキッズ」調べを実施する。)第1 号東京都墨田区(第2 号茨城県常総市、第3 号北海道当別町)では、月1 回、裏千家茶道、池坊華道、書道、折紙他を体験しております。また、「おもてなしの心を世界へ」国民運動協議会を設立し、平成28年12月10日(土)にマナーキッズスポーツフェスティバル&シンポジウムを開催しました。第二回目は、平成30 年4 月1 日(日)に「日本の伝統文化(礼法、茶道、華道、折紙)を体験し、ファミリーコンサートを聞こう!」を、第三回目は、平成31 年4 月27 日(日)、墨田区みどりコミュニティセンターにおいて、日本古来の伝統芸能から学ぶ!「宝生流能
講座」を開催しました。
海外からの情報発信が不可欠と思っており、台湾に続いて、令和元年度はマレーシアにおいて開催し、マレーシア政府が関心を示しております。
中国湖北省武漢市に端を発した新型コロナウイルスは、コロナ前、コロナ後で人間とは何か、文明とは何かを問いかけております。「国家の品格」の著者である数学者の藤原正彦氏は、「日本人は非常時でも規律と秩序を保つことができる。これは世界でも類がないことだ。中国型とも欧米型とも違う、民度の高さでパンデミックを押さえ込むという日本型対策の有効性を世界に示すことができれば素晴らしい。」と述べられております。また、ノーベル賞受賞者・京都大学山中伸弥教授は「新型コロナウイルスへの対応は、長いマラソンです。しばらくは全力疾走に近い努力が必要です。その後は、持久走への準備が必要です。今日本人の規律といいますか自律性が試されています。」と述べられております。まさに、「日本人の心」=「大和魂」を試されているといっても過言ではありません。しかし、明治維新、敗戦、バブル期とここ百数十年の間に三回日本の伝統的な良さを放棄してきたツケが回ってきており、まさに日本人の心は風前の灯火です。
16 世紀から18 世紀にかけて、日本を訪れた外国人は、日本人の美しい立居振舞、礼儀正しい態度、節度ある態度に感嘆の声をあげたとのことです。日本の民度の高さ、日本のやり方で新型コロナウイルスと共存し、再度、世界の人々から尊敬される日本人を目指す絶好の機会かと思います。
このコロナ危機は、日本人の心=大和魂を復活させるいい機会かもしれません。マナーキッズプロジェクトを通じて、今こそ互いに助け合ってたくましく生きる日本人の強靭な精神いわば、「大和魂」を取り戻したいものです。
公益社団法人マナーキッズプロジェクト 理事長 田中日出男