有馬頼英
ゲームの広まりにより、路地から子供が消えました。これまでは子供たちをとりまく社会や大人が生活の中で自然に育てていた「挨拶」や「マナー」、そして「人との関わり能力」が失われつつあります。マナーキッズプロジェクトは、テニスなどのスポーツを通して、「ひとして大切なもの」を地道に育ててくださっています。子供たちを社会人として迎えたとき、「今時の若い者は」と嘆くのは簡単です。また大人になってからその力は身に付くのでしょうか。やはり、教えるべき年代に、教えるべきことを教えなければならないのです。社会が力を失った今、このプロジェクトによって育てられた力は、後に社会をゆっくりと動かしてくれるでしょう。何もできない私は、このプロジェクトを応援したいと思います。
子供たちの「自律した良心」を育てよう
近藤和利(横浜市 63歳)
孫たちが幼稚園に通うような年ごろとなって、子供の教育や躾について興味を持つようになった。世相の中では子供や若者について、いじめや自殺、非行、引きこもり等々暗いニュースばかりが目立つこの頃、日本経済の低迷と併せて将来の日本はどうなっていくのだろうかと、人生の終盤を迎えながらも気になるばかりである。
そうした中、わが人生の中で半世紀を越える付き合いとなるテニス世界の知人・友人たちが、礼儀とスポーツを通じて子供たちの育成を考えるプロジェクト「マナーキッズ」を立ち上げた。
子供たちが礼を尽くしてスポーツを楽しむ中で、体・徳・知のバランスの取れた人格を養うというのは、誠に自然体の社会教育活動であると思う。そもそも育ち盛り・伸び盛りの子供たちに「○○するな」と言うだけの躾は、緊張を強いるばかりで豊かな人格形成には繋がりにくい。これから先、スポーツや受験競争・習い事等々の、他人よりも少しでも強くなり上手になることを求められることが増えていく中で、子供たちが思いやりや豊かな心を持ち続けていくためには、自ら判断できる「自律できる良心」を育てる必要がある。
前向きに「○○しよう」という形で、自律型の社会性や主体性を身につけていく訓練ができそうな「マナーキッズ活動」の広がりと発展に期待するところ大である。