(4)マナーキッズが脳に与える影響

二つ目は、マナーキッズ教室において、受講前と受講後で顕著な変化が表れることから、子どもの脳にどのような変化が起きているかを大森 肇筑波大学大学院准教授に調べて頂きました。
後ほど大森先生からご報告頂きますが、学術的な観点からもマナーキッズ教室は有効であると証明されたことです。

(5)ロータリークラブの支援

三つ目は、先ほども申しあげましたが、ロータリークラブでもこの活動を応援しようという動きが出始めています。
新川崎ロータリークラブ、川崎南ロータリークラブのご支援で川崎市立日吉小学校、宮前小学校において全校生徒を対象にマナーキッズ教室を実施することができました。
教育界は、新しいことに取りくむことに躊躇する体質があるようで、元PTA会長がおられるロータリークラブの方々が小学校に声をかけて頂くとスムーズに事が運ぶことが分かりました。
ロータリークラブの本プロジェクトご支援の輪が全国に広がることを期待しております。

(6)マナーキッズ・ウイル(思い、遺言)・プロジェクトの立ち上げ


四つ目は、橋本総業所属の杉山記一プロが、ミニチュアボールを中国で作り、それにメッセージ(例えば、感謝・思いやりの言葉など)を記入し、ご寄附を募ってはどうかというアイディアを提言してくれました。
時を同じくして、1956~1963年全日本選手権シングルス8連覇という偉業を成し遂げられました宮城黎子様は86歳でお亡くなりになりましたが、遺言でマナーキッズプロジェクトに多額の寄付をして頂きました。
ご自身が編集長をされていたテニスクラシックの2006年1月号において次のような趣旨の記事を載せられておられます。
マナーキッズテニス教室。知ってますか?
三つの宝、この一球、小笠原流礼法あいさつで明るい未来を!
小笠原流礼法だとか、三つの宝とか、この一球とか、ちびっ子には、難しいと思われるかもしれないが、大切なことをわかりやすい言葉で説明すればきちんと理解する。
正義感の強い子どもの方が、擦れた大人よりストレートに理解し、実行する能力を持っているとさえ感じるくらいだ。
わたしも何度かお手伝いに行ったが、コートには「おはようございます」「ありがとうございます」など元気いいあいさつが気持ちよく響き、真剣にボールを打つ子どもたちの上達ぶりには目を見はるものがある。・・・
わたしたちが愛するテニスという素晴らしいスポーツを使って、健康で礼儀正しい青少年を育てるこの活動を応援しようではありませか。
杉山プロのアイディアと故宮城黎子様のご意志・思いを結びつけ、次世代に残すメッセージ(継続、感謝、思いやり等)とサインを小さなミニチュアボール(マナーキッズロゴ入り)に記載し、遺言でマナーキッズに寄付する旨意思表示をするマナーキッズ・ウイル・プロジェクトを立ち上げます。
第2、第3の宮城黎子様が出現するよう、幅広く募りたいと考えております。


資料資料(7)マナーコミュニティ(商標登録取得)構想案


五つ目は、マナーコミュニティで商標登録を取得したことです。
子供は「教えれば変わります」。
課題は、いかにして、それが持続する仕組みを構築するかです。
学校、家庭、地域社会挙げて対応する仕組み作りを模索します。
モデル市町村を募集中です。(大都市では中学校学区)
マナーキッズ教室を幼稚園、小学校、中学校、スポーツ少年団他で開催し、効果の学術的調査(挨拶の質量、交通事故件数、ゴミ収集マナー他について効果を測定する。)を早稲田大学スポーツ科学学術院 木村和彦教授に依頼します。

(8)課題


①NPO法人マナーキッズプロジェクト支部の拡大
小学校体育・道徳関連授業採用増対策として、ロータリークラブ等の支援の他、教育委員会、学校にPRする組織が不可欠でNPO法人の支部を拡大していきたいと考えております。


②各スポーツ団体との連携
スポーツを通じて「マナーの向上」を図るのが、一番理解が得られやすいし、かつ効果があると思います。
「文武両道」の人材を幼少期から育成するというスポーツ界のコンセンサスが必要ですが、各スポーツ団体との連携を如何に図るか模索していきたいと考えております。


③マナーキッズ大使の海外派遣
ところで、マナーキッズプロジェクトでは毎年マナーキッズ大使をウインブルドンに派遣しております。
昨年12月に第4回文部科学大臣杯マナーキッズテニス全国小学校生団体戦を行いました。
全国から約450名の選手が参加しました。
その中から、試合結果だけでなくマナー、感想文、運動能力、面接などの審査を行い次の4名がマナーキッズテニス大使に選ばれ、昨日と一昨日、吉田記念テニス研修センターにおいて事前研修を行いました。
講師は、鈴木万亀子総師範、吉田宗弘様、吉田和子様、白戸 仁プロ他です。
今からその成果を発揮すべく自己紹介をします。
Forum2009_3埼玉県三郷市立早稲田中学校1年 林 雄大
小金井市立本町小学校5年  一山貴洋
東京都中央区立有馬小学校6年 小島日佳里
宮城学院中学校1年   千葉理沙





④残っている日本人の礼儀正しさのDNA
ある方が、本プロジェクトの活動について、「太平洋の中でゴミを拾うようなものだな」と言われました。
言いえて妙な表現と思います。
我々のプロジェクトが小笠原流礼法鈴木万亀子総師範とめぐりあったのは、加賀前田家第18代ご当主前田利祐様のご紹介ですが、前田様が明治維新、敗戦、バブル期とわずか百数十年の間に3回もその国の伝統的な良さを否定した国はどこにもないと述べられておられます。
しかし、子供の変わる姿を見ると「礼儀正しさのDNAは残っている」と確信しております。
「太平洋のゴミ拾い」から「大西洋」「日本海」そして「琵琶湖のゴミ拾い」になるよう、次世代にバトンタッチをしたいので、是非ご支援をお願いします。


4.シンポジウム


~マナーキッズプロジェクトの「これまで」と「これから」~と題して
コーディネーター 永井順國(政策研究大学院大学客員教授)
シンポジスト 藤原公浩(青森県八戸市立新井田小学校教務主任)
  山田誠(筑波大学付属小学校教諭)
  藤川一俊(北九州市立高見小学校校長)
  村中田博(宮崎県小林市立細野小学校教諭)
により行われました。
Forum2009_2各パネリストの発言要旨は別紙の通りです。
途中、大森 肇 筑波大学大学院准教授より研究成果中間発表(概要は別紙の通り)がありました。
最後に、閉会挨拶をNPO法人副理事長の宮司正毅氏が行い16時盛会裏に閉会しました。
閉会挨拶(宮司正毅副理事長)
マナーキッズ大使をウインブルドンに派遣
永井コーディネーターならびにパネリストの皆様、本当にありがとうございました。
異常を持ちましてパネルディスカッションを終了させていただきます。
閉会の前に、今年の6月18日から24日まで、英国ウインブルドンにマナーキッズ大使として派遣される4名がここに来られています。


彼らは約450名の全国大会参加者の中から選ばれました。
全部で6つの得点をクリアして選ばれた人たちです。
元デ杯選手の宮城淳先生ほか何名かの先生方の推薦という形で、出場選手のプレーを一日中見ていただき、その中からピックアップしていただきます。
敏捷性があるか(すばやく動けるか)、柔軟性があるか(スムースな身のこなしができるか)、筋肉の強さ(速いテンポでサーブやスマッシュが打てるか)、執着心があるか(あきらめないでボールを追いかけることができるか)、変化への対応ができるか(トップスピンもスライスも打てるか)、をABCでつけていただきます。
そうやってまずピックアップされます。
マナーもABCで審査されます。
さらに感想文も審査します。
テーマを前日に与えて、次の日に持参させ大学の教授・小学校の校長先生等に審査員として全て目を通して頂きます。
さらに運動能力テストを大森先生のアレンジで全員に行い、体力を測定します。
それに試合結果の採点が加わります。
採点の結果、上位から5、6名を選び面接を受けさせます。
その結果晴れて選ばれたのがこの人たちです。
一昨日、昨日に吉田記念研修センターで2日間研修しました。
ある文章をあらかじめ読んできてもらいます。
小泉信三先生の「スポーツの3つの宝」、福田雅之助先生の「本気な人間になれ」、佐藤次郎選手の「マナーキッズ大使と佐藤次郎」、新渡戸稲造先生の「武士道」、この4つの文章を読んできてもらい、それをベースに彼らがまとめます。
短時間で多くのことを議論しまとめを書き上げたのが後ろの壁に貼ってあるレポートです。
お帰りの前に是非目を通していって下さい。
まず、礼儀、マナー、ウイアー・ファイターズ・アンド・グッドルーザー、要するにグッドファイターでありグッドルーザーになるべしという言葉、さらに、勇気、本気、友を大切にする自制心、この八つをピックアップしています。
彼らがウインブルドンに参りますと、現地のボールパーソンと交流します。
ボールパーソンはウインブルドン地域の17つの学校で15歳(中学校3年生)生徒の中から選ばれます。
ほとんどの学校が成績順で候補を選びます。
全部で約350名の候補者が選ばれその人たちが11月から大会の始まる6月まで、毎週2時間強制的に訓練を受けます。
この訓練を休めば外されるそうです。
350名の中から282名が選ばれます。
年によっては脱落者が多く、282名に達しないこともあるそうです。
その時には前年度の優秀だった人を加えるそうです。
ボールパーソンに選ばれることは大変名誉なことで一生の宝になるそうです。
その訓練の中で、何が一番大変だったかを聞くと、2時間ポーズをしたまま立ち続ける訓練だったそうです。
そして迅速にルール通り動く。
テニスを全くやっていない人もかなりいます。
彼らは6ヶ月間で訓練され、本当に鍛えられています。
日本の昔の軍隊の訓練のように厳しく鍛えられています。
マナーキッズ大使はこのボールパーソンと接して交流を図ります。
これは彼らにとって大変な経験になります。
どうぞ彼らを拍手で送ってあげてください。


5.多くのことを皆さんから教わる


本日の会場は早稲田大学教授木村和彦先生のご紹介によるものです。
先生は早稲田大学スポーツ科学学術院教授です。
木村教授が閉会のご挨拶を申しあげる予定でしたが、急遽、所用のためご都合が悪くなったので、不詳私が代わって閉会のご挨拶を申しあげます。
本日は実地でやっておられる先生方のご意見でしたので、本当に参考になりました。
多くのことを皆様から教えていただきました。
藤原先生は「ます整理整頓、約束を守る」「アイコンタクトの後の一瞬が重要である」、また村中田先生は「家庭と地域とが非常に重要」「やればできる4か条」、山田先生は「行為が伴ってこそ」「体を通じて学ぶ」、藤川先生は「成功体験と充実感、達成感が重要」「本気を出させる教育をしているか」などについて話されました。
これはいくつかの中で私が感じたことです。
私事で恐縮ですが、私はアフリカの開発経済のお手伝いをさせていただいております。
ご承知のようにアフリカは世界的に見ても経済が取り残された、まだまだ貧困がはびこっている地域です。
今から5、6年前に自立の精神ということを彼らが自分で決めました。
それまでは、「日本の経済大国がうらやましい」と、両手を出して「お金ちょうだい」「学校を建てて」「技術を持ってきて」「投資してよ」というのが現実でした。
しかし今は自立して、「自分たちの手でやるから協力してほしい」に変わりました。
従って日本は協力することにしました。
何でも頼る精神状態の時には決して成長しません。
このマナーキッズプロジェクトはまさにそれを引き出す大きな手段になっていると思います。
アフリカで重要なことは、国民が経済への自ら参画するという人々のマインドセットのチェンジが必要だということを、常々申しあげています。
アメリカのオバマ大統領は「チェンジ」を訴えています。
それはまさにマナーキッズプロジェクトの原点だと思います。
ボランティアで私自身がお手伝いすることは、自分に大変役に立っています。
アフリカでは、約束を守らない、時間を守らない、平気で人をだます、何ごとも人任せ。
要するに経済発展に向けてのバイブルが出来ていても当たり前のことが出来ないので、実践に繋がらないのです。
ですから私のような民間出身者が現地に行って、30項目も載っているバイブルの中から、3-4つを選択させ集中してやらせます。
それ以外のことは求めないのです。
そのようなことが彼らには必要なのです。
失敗を恐れるきらいがあります。
今までは西欧に隷属的に服従してきました。
奴隷制度に始まり植民地になり、独立はしたけれど国境は欧米が定めたということから、彼らには独立精神が宿らなかったのです。
最近では自立という面で大きく変わってきました。
マナーキッズプロジェクトはスポーツを通じることから、何よりも体を動かし身をもって体験をしますので、体で覚えます。
田中理事長は太平洋でゴミ拾いしているようなものと表現されましたが、これは今後大きな仕事であり、意味合いは多少違いますが、マナーキッズの精神はすでに太平洋から大西洋、インド洋まで足を伸ばしていると思います。
海外、アフリカでも英国でもこのプロジェクトの考え方が広がって来ていると言えます。
これをもちまして「マナーキッズプロジェクト2009」を閉幕とさせていただきます。
ありがとうございました。

【フォーラム資料】
①藤原公浩氏(青森県八戸市立新井田小学校教務主任) 資料
②山田誠氏(筑波大学付属小学校教諭) 資料
③藤川一俊氏(北九州市立高見小学校校長) 資料
④村中田博氏(宮崎県小林市立細野小学校教諭) 資料
⑤大森肇理事(筑波大学大学院准教授) 資料