マナーキッズフォーラム

第1回全国マナーキッズフォーラム2008 シンポジウム概要

20080329シンポジウムマナーキッズフォーラム・シンポジウムの概要

○コーディネーター
  永井 順國 (政策研究大学院大学客員教授)
○シンポジスト
  山本 浩 (NHK解説主幹)
  大竹 久江 (前東京都杉並区立三谷小学校長)
  鈴木 万亀子 (小笠原流礼法総師範 NPO法人理事)
  田中 日出男 (NPO法人マナーキッズプロジェクト理事長)

▼各シンポジウムの主な発言のご紹介
 各シンポジストの主な発言内容の概略を、以下に紹介します(文責はコーディネーター・永井順國、敬称略)。
なお、詳細な記録は後日、冊子に編集した上で、当日の参加者ならびに正会員に配布、希望者には印刷実費300円(送料込み)にて提供します。
冊子をご希望の方は、Eメール(office365@mannerkids.or.jp)或いは、FAX(03-6426-1580)に、お名前、送付先住所をご記入の上、お申込下さい。
なお、300円は、郵便局備え付けの郵便振替払込請求書(青色)にて、
  口座名義:特定非営利活動法人マナーキッズプロジェクト
  口座番号:00170-6-594797
にお振込下さい。

▼残っている「礼儀ただしさのDNA」
田中 日出男:
(マナーキッズを始めたきっかけ)私は平成8年にはまだ会社勤めをしておりましたが、その頃、気づいたことは従業員同士が挨拶をしなくなったことでした。
 会社の中で「明るく、いきいき、爽やかに常に挨拶しましょう」という看板を作成し、幼稚園でやるような、「挨拶運動」をしなければいけなくなりました。
どうしてそのようになったのかなと思っておりましたら、近くの小学校で先生が正門に立っているのですが、子供たちは挨拶もせず知らん振りなのです。
どうやらこの辺に問題があるのかなと思うようになりました。
 そこで、平成8年に早稲田大学庭球部小学生テニス教室を、OBに働きかけ始めました。
そのプログラムは、このマナーキッズプロジェクトと殆ど同じです。
子供がこれによって劇的に変わるということを体験しました。
これがきっかけです。
 そして、知人を介して、小笠原流礼法鈴木万亀子総師範に出会い、今のようなスタイルが確立できたのです。
 このプログラムは単なる礼儀を教えるのではなく、スポーツを組み合わせて教えることで、楽しみながらマナーや礼儀を学びます。
日本人は、かつては礼儀正しい民族だと言われていたのですが、子供達の変わる様子を見ると、子供たちに礼儀正しさのDNAは残っていると思っています。
それが私の印象です。
 (テニス界マナーについて)テニスのベテラン世界選手権は35歳から90歳まであります。
テニスの場合はほとんどがセルフジャッジです。
ラインぎりぎりのボールが入りますと、インかアウトかで選手同士がもめているケースがよくあります。
我々が現役の時は、疑わしきは相手に有利なようにジャッジすると教わりました。
ところが、今は、ボールが明らかにラインの中に入っていても、アウトとコールするように指導するコーチもいるようです。
 テニスでフェアプレーを重視するのは、そういうことを通じて、人間を試す場だと思います。
しかし、テニスの世界も、かつては紳士のスポーツといわれていましたが、今では残念ながらそうではない時代になったようです。
 そういう観点から、小さいときからフェアープレーはどういうことかを教える必要があると思います。
そのためにはわれわれ大人から変わらなければ、子供たちには教えられません。

▼堅苦しくない小笠原流礼法
鈴木 万亀子:
 お引き受けした理由は、子供たちのマナーの悪さに心を痛めておりましたからでもあります。
 今はほとんど毎日のように子供たちと接していますが、教えていると子供の顔が違ってくるのです。
礼儀とはどういうことかということは皆さんがご承知のことだと思います。
小笠原流礼法が少しでもお役に立てればというのが今の私の気持ちです。
 マナーと比較して礼儀作法というと、どうしても古めかしく型があると考えられています。
江戸時代には武士よりも商人の方が力を持つようになりました。
そうしますと、家の子供もお城にあげさせてもらいたいと思い、それには、礼儀を知らなければということで、型苦しい形だけ教えるエセ礼法家が出回り、堅苦しい型だけが礼儀作法と思われるようになりました。
小笠原流礼法は決して堅苦しいものではなく、相手を思いやる気持ちの表現なのです。
(礼法は型から入ることについて)型を整えることにより、脳でさえ、例えば腰骨をたてる事で、前頭葉にある、自己抑制機能が弛緩しない、そうしておいてマナーを教えるとインプットしやすいのです。
マナーキッズプロジェクトは、小学校で広がってきましたが、まだまだ指導者が少ない。
指導者の養成が必要だと思います。
今は幼稚園や小学校だけに留まっているのですが、小学校で礼儀作法を教えても中学校に入ると全く変わります。
できれば中学生まで追跡してゆきたいという気持ちでおります。

▼学校だけで完結できない教育
大竹 久江:
 今や子供たちの教育は学校だけでは完結できなくなっているという現実があります。
地域の参加、協力がなければなり立ちません。
 学校の中だけではできないことにはどんなことがあるのでしょう。
私が、第一に挙げたいのは、マナーの問題です。
なぜ、マナー、挨拶を第一に挙げるのかをお話します。
私は、校長になり毎朝、校門に立ち子供たちを迎えました。
 そこで気がついたことです。
私が「おはようございます」と呼びかけても子供たちはほとんど目を合わせません。
声が聞こえません。
笑顔で返してくれる子供はあまりいません。
赴任当初は、子供たちは私の顔を知らないのかしら、何処のおばさんかなということもあったかもしれません。
ところが1年経っても子供たちの態度があまり変わらないことに苛立ちを感じました。
 その原因がつかめないままに1年経ち2年経ちしました。
月曜日の朝会でもあいさつ、心のこと、マナーのこと話をしました。
なかなか子供たちの心に響かないのです。
先生方や保護者の方々にも、大人も一緒に同じ姿勢でのぞみましょうとお話もしました。
 何とかしたいと試みました。
私の小さな力ではなかなか拡がらないという苛立ちを感じていたときに、田中先生と出会いました。
いろいろ検討した結果、体育の授業にマナーキッズテニスを導入することに問題ないということになりました。
そして田中先生に全学年をやっていただきました。
鈴木先生にはマナーのご指導をいただきました。
田中先生はとても熱弁をふるわれますので、低学年にはすぐに身につきました。
7月ごろ、職員室であいさつのことが話題になりました。
あるとき3年生の子供たちが音楽の授業に行きました。
授業の始めのあいさつのことです。
「おはようございます」「これからよろしくお願いします」と子どもたちが言って一斉にお辞儀をします。
音楽の先生は驚いてしまいました。
先生が頭を上げても子供たちはまだ頭を下げていたのです。
職員室にその先生が戻った時にその驚きを話してくれました。
音楽の先生は、鈴木先生のマナーの授業を受けていませんでしたから。
子供たちに今までにない様子が見られたということでした。
ただ、マナーキッズテニスの精神を定着させるのは、大変難しい問題です。
挨拶をされて返すべき大人が、しっかりと挨拶を返すことをやっていかなければマナーキッズプログラムは広がっていかないのではないかと思います。
マナーキッズプログラムの素晴らしいところをつけ加えますと、保護者にも教室があることです。
これにより保護者のかたもずいぶん変わってきています。
成果が出てきたことをありがたく思っています。
私は現在教育委員会で嘱託として勤務しています。
4月からは指導教授として教員を支援することになります。
新しい教員を育てるにあたって、ここで学んだマナーキッズテニスの精神を一生懸命にお話します。
これは大人を育てることにもつながりますので、みなさまもご協力をお願いします。

▼挨拶は「スィッチ」
山本 浩:
 昨年の9月から相撲協会の再発防止検討委員会に招聘されました。
相撲協会には53の相撲部屋があります。
相撲の社会は礼儀に大変厳しいところです。
通常、朝一番で最も若い力士が稽古をします。
土俵を清め、稽古を始めます。
次第に稽古が進み9時から10時ぐらいになると関取が姿を見せます。
稽古が終わった若い力士は周辺を掃除したり、兄弟子の相撲道具を片づけたりチャンコの準備をしたりします。
 最後に一番格上の力士が稽古をします。
その間、若い力士は兄弟子の稽古を見て覚えます。
これは相撲界にとっては重要なことなのです。
当然のことながら格上の力士が起きてくると「おはようございます」と挨拶します。
親方が出てくるのは関取が稽古を始める8時から9時頃です。
親方が出てくると力士は稽古を中断し、必ず挨拶します。
 相撲の世界でなぜ挨拶をするのでしょうか。
まるで、あいさつをしないと相撲の世界では生きて行けないかのようです。
実は、挨拶は稽古の中味同様に非常に重要な要素なのです。
 日本泳法というのがあります。
昔ながらの伝統的な泳ぎ方を守り続けている人達ですが、国内に12の流派があります。
鎧兜を身にまとったまま泳ぐ、これはある時は音も立てずに城のお堀を泳ぎ渡るための泳法です。
いずれにしても静かに泳ぐ泳ぎ方ですが、いずれも礼儀を重んじます。
その他にも柔道、剣道、合気道など様々な伝統スポーツがありますが、いずれも戦の時代に身につけた生き残るための便法です。
 他に、武士のたしなんだものに流鏑馬(やぶさめ)とか蹴鞠(けまり)という競技もあります。
いずれも礼儀が非常に重要な役割を担っています。
 なぜこれほど礼、礼儀を大切にするのでしょうか。
礼にはいろんな意味があります。
礼というと挨拶が基本ですが、手合わせをしてくれる相手に対する感謝の気持ちもあります。
あるいは敗れた相手に対する思いやりの意味もあります。
 しかし一番大きな意味は、「挨拶はスイッチだ」と思います。
柔道場に入る、挨拶をする、そこから柔道の戦闘体制に入ります。
そこからは別の自分でなければなりません。
試合が終わり挨拶をする、その後に勝ったものはガッツポーズをする。
挨拶が終わるまでは戦闘モードなのです。
挨拶はそのためのスイッチなのです。
 家庭においても同じことが言えます。
朝起きて「お父さんおはようございます」と言うとします。
その意味は、パジャマを着ていた自分から普通の服に着替える、気持ちを切り替えるという意味があると思います。
挨拶をすることによってスイッチを切り替える。
これが大変重要なことなのです。
 挨拶の中にスイッチの役割があるからこそ重要なのだということを、私たち大人が知っていないと子供たちに対しては何も言えません。
挨拶には感謝の気持ち、思いやりの気持ちも含まれます。
現代社会においてこのスイッチが非常に重要だと考えます。
とくに戦いの場においてはスイッチが入ったか入らないかは非常に重要なことです。
 (国際的に見た、スポーツのマナーについて)スポーツの世界を牛耳るのは基本的には3つのことがあげられます。
一つはルールです。
もう一つはレギュレーション、大会によって決まっている規定です。
三つ目はフェアープレー精神です。
おそらくフェアープレー精神が私どもが言うマナーではないかと思います。
しかしフェアープレー精神の中には型というものはありません。
倒れている選手がいる場合、自分たちのボールなのだが一度外に出して1回休みをつくる、こういうことはレギュレーションになる。
そうするとフェアープレー精神を逆手にとって、痛くもないのに倒れるプレーがたくさん出てきます。
 2006年のワールドカップにおいて、イタリアナショナルチームは痛くもないのに倒れるための練習をするのです。
相手からファールを受けて倒れたという練習をするのです。
足を蹴られてもいないのに蹴られたようなふりをして倒れて痛がる練習をする、このようなことを代表チームの中で練習するのです。
このような時代です。
フェアープレー精神を失った偽善フェアープレーがはびこっています。
コミュニケーションが不足との指摘がありましたが、日本独特の状況もあろうかと思います。
日本では極論すれば、隣の人は「意見が違わない」と考える人の方が、「意見が違う」と考える人の方よりも多いのではないでしょうか。
基本原則は、「うちは隣と同じだ」という考え方です。
最初から「相手は違った考えを持っている」と考える場合は必然的にコミュニケーションが活発になります。
「村」とか「地域」といった概念が強かった時代には、日本ではコミュニケーションは必然であると考えてこなかった歴史的な背景があったのだと思います。
 しかし今はそんなことを言ってる場合ではないのです。
まさにコミュニケーション能力を育むときです。
教えるのにも大変時間がかかります。
われわれ自身が、マナーとコミュニケーションが同一線上にある、欠くべからざるものであるという認識をまず持つことだと思います。

第1回全国マナーキッズフォーラム2008 開催レポート1/2

20080329ミニバスケット

第1回全国マナーキッズフォーラム2008」が、平成20年3月29日(土)東京都中央区立総合スポーツセンターにおいて開催されました。

第1部は、デモンストレーション・マナーキッズ教室見学で、9時30分から12時30分まで行われました。テニスとミニバスケットの組み合わせデモ教室には、定員40名の子どもが参加し、ショートテニスとミニバスケット2種目の競技を体験しました。ショートテニスの指導は、元デ杯選手 白戸 仁コーチ、中央区テニス連盟、三菱東京UFJ銀行テニス部他、ミニバスケットの指導は中央区スポーツ少年団ミニバスケット指導者が担当しました。

開講式の際に全員が自己紹介を行いました。殆どの子どもは、声が小さく、姿勢も良くありませんでした。その後、小笠原流礼法鈴木万亀子総師範による、「お辞儀・挨拶の仕方」の指導があり、プレーの際に、「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と繰り返し反復練習を行いました。閉講式の際には、見違える程、声が大きくなり、姿勢も良くなり、一人ずつ修了証書を元気よく受け取っていました。

 保護者及び見学者は、第一会議室において、小笠原流礼法鈴木万亀子総師範の「家庭内の躾」を聴講しました。

20080329テニス フォーラム第2部は、杉山佳子さん(アナウンサー、NTTユーザー協会講師)の総合司会により進行しました。

 まず、田中理事長より以下の開会挨拶が行われました。

本日は「第1回全国マナーキッズフォーラム2008」にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。本日は遠路九州、広島、兵庫、名古屋、富山、長野、宮城、山形、青森などのご遠方からご参加いただいております。さらに多方面の方々にお越しいただいております。まず、このプロジェクトは、小笠原流礼法鈴木万亀子総師範のご協力がなければ存在しないプロジェクトでありますが、本日は、鈴木総師範の門下生の方々に多数ご参加頂いております。また、このプロジェクトは、全て企業よりの協賛金、寄付金及び個人よりの寄付金で運営しておりますが、協賛企業から、三菱東京UFJ銀行様、第一学習社様、ご寄付頂いておりますみずほフィナンシャルグループ様、ご支援頂いております笹川スポーツ財団よりお越し頂いております。また、財団法人日本サッカー協会、ゴルフ、ボーリング、少年野球関係の皆様、総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団の皆様、教育関係では、大学、小学校の先生の方々、本プロジェクトに関心を持って頂いている関係の方々、マナーキッズテニス大使の保護者の方々、本プロジェクトをご支援頂いております方々、テニス関係では、社団法人日本テニス事業協会雑賀会長様はじめテニスクラブの方々、コーチの方々、県テニス協会、大学テニス部監督、テニス部OBの方々にお越し頂いております。

先ほど、伊吹文明前文部科学大臣、自民党幹事長、衆議院議員、山谷えり子内閣総理大臣補佐官、参議院議員、たじま要衆議院議員の祝電をご披露頂きましたが、心よりお礼申し上げます。

 さて、平成16年7月24日にここ中央区立総合スポーツセンターにおいて、財団法人日本テニス協会幼稚園・小学校マナーキッズテニスプロジェクト主催で実験を行なったのが、このマナーキッズプロジェクトの事実上のスタートです。当時、日本テニス協会内部でマナーキッズテニスプロジェクトの取扱について種々意見がありました。マナーとか礼儀とかを入れる必要はない、子どもに楽しんでもらえばいい等です。そこで、自分達でお金を集めて日本テニス協会に一切負担をかけないという前提で実験はしてもいいということで実験したわけです。本日午前中テニスのご指導頂きました中央区テニス連盟岩佐会長他テニス連盟の方が手をあげて頂いたわけです。その様子がNHKのサタデースポーツで取り上げられたことから反響があり、今日につながったわけです。

 また、平成17年4月26日には、本日、シンポジストとしてご参加頂いておりますNHK山本浩解説主幹には、「暮らし中のニュース解説」において、同じくシンポジストの前三谷小学校大竹校長が全国で始めてマナーキッズテニス教室を体育授業で開催して頂きましたが、その様子を含めて取り上げて頂き大きな反響があり、体育授業が12都道府県38小学校に増えております。

本日のフォーラムは、今の時代状況の中で、私達が進めてきた活動を振り返り、同時に「これから」に向けて確かな道筋を確認するために、ともに考える場にしたいと考えております。

最後になりますが、本フォーラム開催に当たりご協力頂きました財団法人日本テニス協会、中央区スポーツ少年団、ご後援頂きました文部科学省、NHK、読売新聞社、東京都教育委員会、中央区、中央区教育委員会、財団法人日本体育協会様、そして今までに本プロジェクトをご支援、ご協力頂きました皆様方に衷心よりお礼申し上げ、開会のご挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました。

 

(→2/2へ続く)

第1回全国マナーキッズフォーラム2008 開催レポート2/2

 

続いて、基調報告を、当初宮司正毅副理事長が行う予定でしたが、急遽、海外出張になったため、田中理事長が代わりに次の通り、基調報告を行いました。

1 開催実績

  レジメの5ページをご覧下さい。マナーキッズテニス教室の今までの開催実績です。今までに39都道府県において、245回、17,099名の幼稚園園児・小学生児童が参加しました。平成16年に中央区、静岡市、江東区の3箇所で実験を行い、平成17年4月からスタートしました。平成17年度は59回、4,453名、平成18年度は、82回、5,445名、平成19年度は、98回、6,760名参加と逐次増えております。 

次に、内訳をみますと、一般公募型は公営体育館等で開催するデモンストレーション教室です。訪問指導型は、幼稚園、小学校に訪問して指導する教室です。その比率が、平成17年度は、53%対47%でしたが、平成19年度は、27%対73%と訪問指導型が増えております。

 2 NPO法人設立趣旨

  財団法人日本テニス協会では、平成17年4月から、子供テニスのプロモーション活動として、「幼稚園・小学校マナーキッズテニスプロジェクト」を、文部科学省、NHK、読売新聞社の後援、小笠原流礼法鈴木万亀子総師範のご協力を得て、全国で展開してきた。併せて、文部科学大臣杯マナーキッズテニス全国小学生団体戦を3年間にわたって開催し、テニスの成績、マナー・ルールの順守度、感想文の内容、体力・運動能力テストの結果を総合評価して、本年6月に6人の小学生を「マナーキッズテニス大使」として、イギリス・ウィンブルドンに派遣、現地で国際交流活動を行います。

昨日、一昨日と千葉県柏市の吉田テニス研修センターにおいて事前研修を保護者共々行なってまいり、本日は6名中5名が出席しておりますので自己紹介を行なって頂きます。

  (自己紹介)

  マナーキッズテニス大使に関して、宮司氏のレポートがありますので、資料1をご覧下さい。

  6名は6月20日出発、6月26日帰国の予定で、ウインブルドン大会の観戦、ボールパーソンとの交流、ウインブルドンジニアーチームとの交流試合等を行ってきます。

 あのきびきびしたボールパーソンがどのようにして訓練されたのか触れてみたいと思います。

  Wimbledonテニス大会のボールパーソンに選ばれることは大変な名誉なことで、一生の宝物となるようです。

同地域の17校の在学生で、15歳(日本でいう中学3年生)が対象者となります。

各学校から推薦でされた生徒約350名の中から、訓練を受け合格した約280名が選ばれます。 前の年の11月頃より訓練が開始され、試合が始まる6月までの約7カ月間、毎週2時間の訓練が義務付けられます。 誰を推薦するかは学校によって違いますが、成績順に推薦する学校が多いと言われています。

訓練はかなり厳しいもので、脱落者が相当数出ますが、年によっては合格者が280人に到達せず、昨年のボールパーソンの中から数人が選ばれることもあるそうです。 従って、原則的には15歳の時に1度しかチャンスはありませんが、2回出来る幸運な人もごく僅かいることになります。

子どもたちは、テニスのルールを勉強する、迅速に走る、判断力を養う、我慢をする等々広い範囲の訓練を受けることになります。 一番苦しかった訓練は何だったのかと、ボールパーソンに聞いてみたところ、ボールを右手に持ち、頭のあたりまで上げた姿勢(ボールを選手に手渡す時の姿勢)のまま、2時間近く動かずに立っている訓練だったとの回答でした。

晴れてボールパーソンンに選ばれた人達との会話を通じ感じたことは、彼らの受け応えがとてもさわやかで、立ち振る舞いも礼儀正しく、まるで軍隊で厳しい訓練を受けてきた人達であるかのような印象を強く持ちました。

我々のキッズ大使達は、マナーキッズテニス教室、事前研修等を受け、かなり高いレベルに到達した上で派遣されましたが、Wimbledonのボールパーソンとの会話を通じ、一段と成長してくれた様に見受けられました。

 

 マナーキッズテニス教室の内容は、午前中にご見学頂きましたが、

受付は自分一人で行なう、自己紹介をする。全国どこでもそうですが、体がフラフラ、

声も小さいです。その後、鈴木総師範が、正しい姿勢と挨拶、「宜しくお願いします。」「ありがとうございました。」の指導があります。それを、テニスをやりながら反復練習を行います。終わる頃には、見違える程、姿勢も良くなり、声も大きくなります。保護者には、「家庭内の躾」という講話があります。閉校式には、修了証書を渡します。その際、「ありがとうございます」を言って、相手の目をみて握手します。終わってから感想文を書いてもらいます。

各地の小学校などの反応は極めてよく、例えば「挨拶をする子が増えた」「子どもをプラ

ス方向に変える力を持っている」「いじめを減らす効果が期待できそうだ」といった趣旨の報告が寄せられています。

 さらに、後程、本NPO理事、筑波大学大学院大森 肇准教授のご講演がありますが、幼

児期における運動体験は、身体的な発育・発達の面だけでなく、知能の発達(言語発達)

も資するところがあるとの研究報告もあります。

 また、2006年3月に開催された、日本体育・スポーツ経営学会において、閉会のご挨拶をお願いしております、本NPO理事、早稲田大学木村和彦教授のご指導により、資料2のように「マナーキッズテニス教室の評価と今後の課題」というテーマで発表されております。「子供の変化のみならず保護者にもマナーや知識の理解を深めた」と紹介されていますが、子供たちだけでなく保護者にもこのプロジェクトは影響を与えているとご指摘をいただいております。

 以上のような実績・効果などから、マナーキッズプロジェクトの趣旨・内容を、独りテ

ニスだけでなく、スポーツの種目を超え、あるいはスポーツ以外の子ども活動団体などと

も連携・協力して広く共有し、全面的に活動展開していきたいというのが、本法人の設立

した経緯です。

 スポーツ・文化など、各種活動を通じて、日本の伝統的な礼法を体験させる、小笠原流

礼法鈴木総師範には、全国各地でご指導頂いております。

 挨拶・礼儀作法などのマナーを習得する、体力・運動能力の向上、知的能力の向上を図り、「体」「徳」「知」のバランスの取れた人材育成に寄与したいと考えております。

 そして、地域社会或は国際社会の中で市民として生きていく力を、個人レベル(主体性・自立性)、対人関係レベル(自己と他人との関係)、文化・社会レベル(個人と社会の関係)いずれの面においてもきちんと身に付けさせるきっかけになればと考えております。

3 NPO発足後の新展開

  昨年6月のNPO設立後の主な活動は次の通りです。

(1)体育と道徳・総合学習(食事のマナー他)の融合授業開催の支援事業

  全国16小学校において、JTAマナーキッズテニスプロジェクトと連携し、体育と道徳の融合授業開催の支援事業を行ないました。平成19年10月1~3日に開催された福岡県遠賀郡岡垣町立山田小学校の様子が読売新聞に掲載されております(資料3)。また、平成19年10月30日に開催されました、杉並区区立杉並第七小学校においては、教育再生会議委員の山谷えり子さん、小谷実可子さん他が視察に来られ、その様子が教育再生会議ホームページ(資料4)及び山谷首相補佐官の感想がブログ(資料5)に掲載されております。

  新聞報道にありますように、小学校での道徳をどのようにするか悩んでおられるようで、道徳授業の外部委託も一つの有効な方法と確信しております。

(2)スポーツ少年団における複合スポーツの体験

  平成19年9月30日(日)千葉県白井市スポーツ少年団において、本日と同じようにミニバスケットとショートテニスの2種目を体験してもらいました。

  我が国では、小さい時からサッカーとか野球とか特定のスポーツに特化しますが、欧米では、少なくとも幼稚園、小学校期はシーズンによって多くのスポーツを体験すると聞いております。そうすることによって真の運動能力を身に付けるとのことです。本NPO活動としても色んなスポーツを体験し、その中に小笠原流礼法による礼儀作法を多くの子ども、そして保護者にも体験して欲しいと考えております。

(3)「卒業記念サッカー大会MUFGカップ」礼法指導

東京、大阪、愛知の3箇所で礼法指導を行ないました。

(4)大田区立小池小学校土曜クラブスナッグゴルフ礼法指導

  午前中にマナーキッズテニス教室を開催し、午後は、スナッグゴルフ教室で礼法指導を行ないました。

(5)佐賀バルーンフェスタ 柔道教室での礼法指導

  平成19年11月3日佐賀県バルーンフェスタにおいて小学生を対象にした柔道教室で礼法指導を行ないました。

(6)新宮市役所職員研修「行政サービス上の基本的なマナー」

  平成19年7月9日和歌山県新宮市王子小学校において体育・道徳融合授業を行なった際に、子どもだけではなくて行政も変わらなくてはいけないということで、鈴木総師範が講演をされ、非常に好評でした。

(7)キッザニアでの礼法指導

  平成19年9月1・2日子どもが職業社会体験をするキッザニア東京において礼法指導を行ないました。

  今後の課題等につきましては、後程のシンポジウムの際に触れたいと思いますが、何卒ご指導、ご鞭撻賜りますようお願い致しまして基調報告とさせて頂きます。

 ありがとうございました。

 

続いて、NPO法人マナーキッズプロジェクト理事で筑波大学大学院准教授 大森 肇博士より、「幼児期の言語発達に及ぼす模倣運動の影響」「母の愛が脳を育む」と題して講演が行われました。(配布資料参照)

最後に行われたシンポジウムは、「マナーとルールは『人間力』の第一歩」を基調に据え、「マナーキッズプロジェクトの『これまで』と『これから』と題して、コーディネーター永井順國氏(NPO法人副理事長、政策研究大学院大学客員教授)、シンポジスト 山本 浩氏(NHK解説主幹・エグゼクティブアナウンサー)、大竹久江氏(杉並区教育委員会教育改革推進課地域協働担当副参事)、鈴木万亀子氏(NPO法人理事、小笠原隆礼法常任理事本部教授 総師範)、田中日出男氏(NPO法人理事長)により行われました。(概要別途紹介)

最後に、閉会挨拶をNPO法人理事で早稲田大学スポーツ科学学術院教授の木村和彦氏が行い16時40分盛会裏に閉会しました。

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第19回文部科学大臣杯マナーキッズショートテニス全国小学生団体戦
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マナーキッズⓇスポーツフェスティバル&シンポジウム
 シンポジウム全編
「0歳からの体幹遊び」出版記念 マナーキッズプロジェクト15周年 50万⼈到達謝恩の会
マナーキッズ講師養成講習会シリーズ「0歳からの立腰・体幹遊び」講師養成講習会
マナーキッズ(R)プロジェクトの活動が動画でご覧いただけます。
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