平成21年11月28日
和歌山県テニス協会テニスフォーラム2009
主催:和歌山県テニス協会
共催:NPO法人マナーキッズプロジェクト
後援:和歌山県教育委員会、和歌山県体育協会
内容:
第1部 記念講演会 10:30〜12:30 (敬称略)
場所:和歌山大学医学部教室
司会:和歌山県テニス協会副会長 本多通博
主催者挨拶:和歌山県テニス協会副会長 長坂隆司
祝辞:和歌山市長 大橋建一
講演:「子どもは教えれば変わる・・・礼儀正しさのDNAは残っている」
NPO法人マナーキッズプロジェクト理事長 田中日出男
講演:「テニスから学んだこと」
財団法人日本テニス協会顧問 元デ杯日本代表 1955年全米ダブルス優勝 宮城 淳
講演:「クルム伊達復活 テニスの真髄」
財団法人日本テニス協会地域プロジェクト委員長 元デ杯選手 小浦武志
第2部 マナーキッズテニス&ジュニア強化選手指導会 13:30〜16:00
場所:紀三井寺テニスコート
第3部 祝賀会 17:30〜20:00
場所:ダイワロイヤルホテル
主催者挨拶:和歌山県テニス協会会長 月山和男
祝辞:和歌山県知事 仁坂吉伸、和歌山市長 大橋建一(代読)
各委員長報告:マナーキッズテニス 本多通博他
祝辞:田中日出男
乾杯:宮城 淳
NPO法人マナーキッズプロジェクト 田中日出男理事長講演内容
マナーキッズテニスプロジェクト
「子どもは教えれば変わる」・・・礼儀正しさのDNAは残っている
おはようございます。
ご紹介頂きました田中日出男です。
今回、和歌山県テニス協会テニスフォーラムにおきまして、このような機会を頂きまして、非常に光栄にかつ嬉しく思っております。
といいますのは、平成17年4月から財団法人マナーキッズテニスプロジェクトが発足しましたが、この和歌山県テニス協会が全国の牽引車的役割を担って頂いているからです。
1 マナーキッズテニスプロジェクトの経緯
何故このようなプロジェクトが発足したかでありますが、それは平成8年頃に遡ります。当時は、まだ現役でして、仕事は、化学会社の人事・労務を担当しておりました。会社で従業員同士が挨拶しなくなったことに問題意識を持ち、工場で「あいさつ通り」を作って、この通りでは、「明るく、いきいき、さわやかに、常に」挨拶しましょうというような幼稚園でやるようなことを会社でしなければなりませんでした。どうしてこのようになってしまったのかと思っておりまして、近くの小学校の校門で先生が、門に立っておりますが、生徒は、知らん顔して校門を通り過ぎます。そういう風景をいくつか見て、ああ小学校では挨拶する習慣がなくなっていることに気付きました。
そこで、母校の早稲田大学テニス部OBに働きかけ、平成8年12月に早稲田大学テニス部小学生テニス教室を開始したのがきっかけです。
平成14年に会社をリタイヤし、ぶらぶらしておりましたら、本多副会長の関学テニス部同期の本井氏から日本テニス協会のベテランの仕事を手伝うように依頼され、お引き受けしました。ベテランだけでは何なので、ベテランと幼稚園・小学生を結びつけて、マナーキッズテニスプロジェクトを日本テニス協会として実施してはどうかと提言したところ、いろいろやりとりの後、自分で資金を集めて、日本テニス協会に一切負担をかけないという条件で、実験ならしていいとなり、平成16年に、東京都中央区、江東区、静岡県の3ヶ所で実験を行いました。平成16年7月24日、中央区でのマナーキッズテニス教室の模様をNHKのサタデースポーツが取り上げてくれました。映像は、小笠原流礼法鈴木万亀子総師範を中心に追いかけており、マナーとテニスの組み合わせが興味を引いたようです。
協賛企業も思いの他集まりました。とりわけ、メガスポーツ(イオンとスポーツオーソリティの合弁会社)様がラケット、ボール、ネットを台湾で生産し、現物を寄付して頂いたことで大きく前進しました。これも本多さん、小浦さんの後輩の方がメガスポーツの幹部におられるお蔭です。
そして、平成17年4月に日本テニス協会マナーキッズテニスプロジェクトとしてスタートすることができました。
2 和歌山県がマナーキッズテニスプロジェクトの牽引車
全国47都道府県テニス協会の中で、一番早く取り組んで頂いたのが和歌山県テニス協会です。2015年の和歌山国体に向けて、幼稚園・小学生対象の本プロジェクトの意義を認めて頂いたと思っております。
平成17年6月18日に和歌山県立体育館で開催したのが、和歌山県の第1号です。
マナーキッズテニスプロジェクトは、今までに394回29,152人が参加しました。その内、和歌山県が57回、2,675人で約9%を占めております。20都道府県82小学校で体育・道徳関連授業に採用されておりますが、内和歌山県は8小学校で10%を占めております。
また、和歌山県は、全国のモデルになるようなユニークな取り組みをされております。
第1点は、行政の後援です。和歌山県知事、和歌山県教育長、和歌山県体協、和歌山市長、和歌山市教育長の後援を頂き実施されておられます。
第2点は、株式会社島精機製作所様が和歌山県マナーキッズテニス教室に限定してのご協賛を頂いております。これも全国初です。
第3点は、マスコミのバックアップで教室が開催されております。
第4点は、郡市テニス協会との連携がうまくやっておられます。
大いに和歌山発のモデルを情報発信して頂きたいと考えております。
本日のフォーラムはそういう非常に有意義な場だと思っております。
3 子どもは教えれば変わる・・・・礼儀正しさのDNAは残っている・・・・
お手元の資料をご覧下さい。
小学校体育・道徳関連授業の一こまです。2時限、90分かけて行います。
まず、始めに自己紹介を生徒がします。全国どこでもそうですが、姿勢が悪く、声も小さくしょぼしょぼと自己紹介します。その後に、小笠原流礼法鈴木万亀子総師範が、正しいお辞儀、挨拶のご指導があります。姿勢を正して、「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と言ってからお辞儀をします。挨拶は目下から目上にするものですから生徒からさせます。テニスをやりながら「よろしくお願いします」「ありがとうございました」の反復練習です。そうすると見る見る子どもの態度が変わっていきます。終わる頃には、姿勢は、背筋が伸び、腰骨が立ち、大きな声が出るようになります。子どもの変わる姿を見ると、子どもは教えていないだけで、教えれば変わると確信しております。まさに、礼儀正しさのDNAは残っていると思います。
マナーキッズテニス受講者全員の態度が変わるものですから、筑波大学大学院大森肇准教授が、心理的気分尺度という方法で通常の道徳の授業とマナーキッズテニス教室による授業との相違を調査されました。その結果は、「混乱」「緊張・不安」「抑うつ・落ち込み」「怒り・敵意」「疲労」といったネガティブな指標は、通常の道徳授業では変化せず、マナーキッズテニス教室の後には低下しました。一方、ポジティブな指標である「活気」は通常の道徳授業で低下し、マナーキッズテニス教室の後では上昇しました。
つまり、子ども達はテニスをやることで、楽しみながらマナーお勉強することで、効果が上がっていると考えております。
4 マナーキッズテニス教室開催後のフォロー
課題は、教室開催後のフォローです。
今般、品川区教育委員会とNPO法人マナーキッズプロジェクトは、マナーキッズ教室を幼稚園・小学校・中学校において展開する旨の記者発表を行いました。予算化も検討されております。品川区教育委員会は小中一環教育及び「市民科」の採用で教育改革を実践されているところです。
品川区では、次の施策を採用することになっております。
(1) 学校でのフォロー
授業で実施した小学校では、校門に入る際、朝礼、授業の始業、終業の際に、習った正しいお辞儀、挨拶を生徒の方から励行します。学校での来客には、立ちどまって挨拶します。
ショートテニスのフォローはクラブ活動に取り入れること、また、ショートテニス同好会を結成します。文部科学大臣杯マナーキッズ全国小学生団体戦に出場を目標にします。マナーキッズテニス大使に選ばれるよう文武両道を目指します。
マナーキッズテニス・リマインドボールを作成しました。いきさつは次の通りです。
宮城 淳様のお姉さんの宮城黎子様は、1956〜1963年全日本テニス選手権シングルス8連覇という偉業を成し遂げられました。宮城黎子様は平成20年6月、86歳でお亡くなりになりました。生前、マナーキッズテニスプロジェクトの趣旨にご賛同頂き、指導面、資金面、広報面で大変ご支援頂きました。遺言により、マナーキッズテニスプロジェクトに多額のご寄付を頂戴いたしました。
宮城黎子様より頂戴しました寄附金を活用し、「マナーキッズ・リマインドボール」を作成しました。
マナーキッズ・リマインドボールを時々手にして、マナーキッズテニス教室で学んだ挨拶・礼儀作法の
基本的マナーが身につくよう、家庭、学校、地域社会で実践して頂きたいというのが趣旨です。
(2) 家庭内でのフォロー
マナーキッズテニス教室は、必ず小笠原流礼法鈴木万亀子総師範の「家庭内の躾」の講話とセットになっております。どういう話をされるかといいますと、今、幼稚園では、園長と園児は友達、学校でも先生と生徒は友達、家庭でも親子は友達、全て友達関係です。やはり、目上、目下、上座、下座があるのですよ。朝起きたら、子どもの方から丁寧な言葉で「おはようございます」と言う。親は、子どもの目を見て「おはよう」と言う。
電車の中で食事をしたり、化粧をしたり、公の空間と私的な空間の区別がなくなっております。その原因の一つとして、朝食事の際、忙しいものだから、食卓で子どもの髪をといたりします。そういうことは絶対してはいけない。見送る際には、「いってらっしゃい」と声をかけ、出来れば姿が見えなくなるまで見送りなさい。そうすれば親の愛情を子どもは感じ取るとのことです。親の愛情を受けた子どもは、いじめにも強いようです。
このことは、大森肇准教授がねずみを使っての実験の話をされます。親の愛情豊かに育ったねずみとそうでないねずみでは、ストレスに対する耐性が違うようです。また、痴呆にもなりにくいという実験結果が出ているとのことです。
NPO法人マナーキッズプロジェクトでは、マナーキッズカレンダーを作成しました。品川区の小学校で保護者に配布し、親子でマナーについてお互いチェックします。
(3) 地域社会でのフォロー
NPO法人マナーキッズプロジェクトでは、「マナーコミュニティ」で商標登録を取得し、マナーコミュイティ活動を展開します。
市町村、大都市では、中学校の学区の全幼稚園・全小学校においてマナーキッズテニス教室を開催します。次に、地区内の総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団他でマナーキッズ教室を開催します。平成19年6月にNPO法人を設立しましたが、テニス以外にサッカー、ラグビー、バスケット、スナッグゴルフ、ビーチバレー、陸上、柔道、相撲、音楽他に広がっており、10,500人が受講しました。
今般、マナーキッズ&マナーコミュニティ・ポイントカードを発行し、全国のマナーキッズ教室受
講者の保護者他に配布します。マナーキッズ教室受講者の保護者他が、地元商店街等においてマナー
キッズ&マナーコミュニティ・ポイントカードを利用することにより、マナーキッズ及びマナーコミュ
ニティに対する関心を高めます。
そして、商店街、町内会、自治会、ロータリークラブ、青年会議所等地域社会の方々が当該地域で
の挨拶運動他に参画することにより、マナーキッズ教室のフォローの一翼を担って頂きます。商店街
等がマナーキッズ&マナーコミュニティ・ポイントカードを活用されることにより、マナーキッズ及
びマナーコミュニティの輪が拡がり、かつ定着することを期待しております。
是非、和歌山県の各市町村がマナーコミュニティ活動を展開されることを期待しております。
5 「太平洋のゴミ拾い」から「大阪湾、和歌の浦湾のゴミ拾い」に
ある方が、我々の活動を称して「太平洋でゴミを拾っているようなものだ」と言われました。言いえて妙な表現と思います。今までに39,000人が授業しましたが、全国の幼稚園・小学生の数880万人からすれば微々たるものです。「太平洋のゴミ拾いから大阪湾ひいては和歌の浦湾のゴミ拾い」と言われるように努力しますので、和歌山県テニス協会、和歌山県、和歌山県教育委員会、和歌山市、和歌山市教育委員会の益々のご支援をお願い致します。
また、マナーキッズテニスプロジェクトが和歌山ゴールデンキッズプログラムと結びつき、2015年の和歌山国体で成果をあげられること、そして、和歌山県は世界的な人材を輩出されてこられましたが、マナーキッズ教室を通じて世界に通用する人材を輩出されることを期待しております。
本日はありがとうござました。