放送日時:
  平成21年10月22日(木)11時5分〜11時15分

中継場所:
  東京都品川区立浜川小学校

中継内容:
  NHKラジオセンタースタジオ、村上信夫氏、神崎ゆう子さん[村上・神崎]
  中継リポーター、三須亜希子アナウンサー[三須]
  NPO法人マナーキッズプロジェクト、田中日出男理事長[田中]
  小笠原流礼法、鈴木万亀子総師範[鈴木]

[村上・神崎]
10月22日木曜日のラジオビタミン、11時台のスタートです。村上信夫です。神崎ゆう子です。木曜日の11時台は中継をお届しております。最近、姿勢はよくないわ、声はでないは、マナーは悪いわと子ども達あんまり評判かんばしくないですね。そこで、少しでもマナーをよくしようということで、ただマナーを学ぶだけじゃ、なかなか身につきにくいので、スポーツを通して、マナーを学ぼうという教室が開かれております。「マナーを学ぶ。」何か言いましたか。だじゃれの効用といいますが。中継現場で待っております。呼んでみましょう。三須さん。

[三須]
今日は、東京品川区にある小学校の体育館に来ています。

[村上・神崎]
子ども達の声。

[三須]
そうなんです。小学2年生が50人程体育館に今いまして、元気よく挨拶していますよ。今日は、テニスをしながら挨拶の仕方を学ぶ教室が開かれているんですね。体育館に8面ネットが張られていまして、20人程の方が子ども達にテニスを教えています。

[村上・神崎]
マナー教室なの、テニス教室なの。

[三須]
マナーをテニスと一緒に学んでいこうという教室です。

[村上・神崎]
テニスを習いながら、同時にマナーも学んじゃうわけですね。

[三須]
そういうことなんです。子ども達は、やはり、マナーだけでは、退屈しがちだということで、楽しみながらマナーを学ぶということがあると思います。授業の一環として、90分かけてマナーとテニスの教室が行われています。今日、最初に挨拶の練習がありました。そして先ほどからテニスを始めているんです。テニスといいましても、子どもには重いですから、黄色いスポンジのボールと小さな、軽くて短いラケットを使ってテニスをするんです。4球ごとに交代しながら「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と挨拶しながらテニスします。挨拶を学びます。

[村上・神崎]
挨拶してからプレーすると気持ちいいよね。今やっているのは何年生ですか。

[三須]
小学校2年生です。遊びが大好きといった感じで、挨拶というより、まだテニスに夢中でボール遊びをしているという感じです。白い体操着、紺色の短パンをはいて元気に楽しんでいる顔があります。これが徐々に変わっていくんじゃないですか。この教室を開いたのは、4年前から活動しています子ども達のマナーの啓発活動を行っているNPO法人マナーキッズプロジェクトという団体です。品川区教育委員会と連携してこの教室を行っています。内容としては、挨拶というマナーを教えるわけですが、それ以外に座り方、食事中のマナー教室なども行っています。今日は、テニスですが、それ以外の競技もあります。サッカー、バスケットボールといった競技でも教室は開かれています。これまで全国の幼稚園や小中学校で38,000人が受講しました。広がりのある教室なんですね。マナー教室を開いていますNPO法人マナーキッズプロジェクト代表の田中日出男さんです。よろしくお願いします。

[田中]
よろしくお願いします。

[三須]
それでは、どうしてスポーツを通じてマナーを教えようと考えられたのでしょうか。

[田中]
100数十年前までは、日本人は世界一礼儀正しい、節度ある民族と言われておりました。しかし、今は残念ながらそうではないですね。お互い挨拶をしないとか、電車の中で食事をしたり、化粧をしたりとかです。また、スポーツの世界も、どうしても勝負一辺倒になりましてフェアプレーの精神が薄れてきております。

[三須]
その部分を育んでいこうという目的ですね。

[田中]
そこで、スポーツを通じて、挨拶・礼儀作法の基本的マナーとスポーツマンシップを習得する。そしてそれが日常の生活につながればいいなと思っております。

[三須]
今は、小学校2年生の子ども達を見ていますとまだ挨拶の声が小さい気がします。今教えてずっと続くものなのですか。

[田中]
今はまだ始まったばかりです。10分毎に変わっていきます。終わりの頃には、見違える程姿勢がよくなって、大きな声が出るようになります。「三つ子の魂百まで」と言いますが、出来るだけ小さい時に日本の伝統的な礼儀作法をきちんと身につけて大きな声で相手の目を見て挨拶出来るようになると考えております。

[三須]
ありがとうございます。子ども達の将来につながる挨拶をこの教室で教えているわけですね。どうして、スポーツをする前に挨拶をするのかといった挨拶の理由をしっかりと専門家が教えるのもこのマナー教室の特徴の一つなんです。子ども達に礼儀作法を教えているのは、小笠原流礼法の鈴木万亀子さんです。小笠原流礼法というのは、室町時代から始まりまして、江戸時代には幕府の公式な礼儀作法として用いられていたものなんです。とても格式高いものになります。鈴木さんよろしくお願いします。

[鈴木]
よろしくお願い致します。

[三須]
子ども達は挨拶しながらテニスしてますけれど、古くから続いている礼法とスポーツのマナーとどう結びつくものなのでしょうか。

[鈴木]
どのようなスポーツでも最初と終わり、そして勝つ、負けるがございますよね。その時には、挨拶が必要になってまいります。

[三須]
負ける際にもですか。

[鈴木]
そうなんです。負けた時に相手の気持ちを自分も思いやる、お互いに思いやる。共感ですよね。

[三須]
分かりました。それでは、子ども達に教えている挨拶を教えて頂けますか。

[鈴木]
どうぞなさってみて下さい。

[三須]
よろしくお願いします。今お辞儀をしました。

[鈴木]
今どこを見ていますか。お辞儀をした時に何が見えますか。

[三須]
お辞儀をして下を向いている状態ですが、体育館の床と自分の足がちょこっと見えます。

[鈴木]
床が見えますのは、頭を下げているからです。実は、挨拶は腰を折って相手を意識することなんです。

[三須]
腰を折る。頭が下がるから足が見える。

[鈴木]
そうなんです。腰を折って相手を意識します。そして、あがりまして相手をまた見ます。それを残心と申します。そこまでが挨拶になっております。

[三須]
残心ですか。

[鈴木]
残す心と書きます。相手を思いやる気持ちを表すわけです。

[三須]
言葉の挨拶は勿論なんですが。お辞儀をするという言葉の中にも、本当にたくさん相手への思いが含まれているんですね。

[鈴木]
そうなんです。すべて相手をおもいやることから始まります。

[三須]
ありがとうございました。

[鈴木]
どういたしまして。

[三須]
挨拶は、相手を思いやって、心を下げて、身体全体で言葉自体をあらためて表現するものなのかもしれません。ここで子ども達に話を聞いてみましょう。こんにちは。

[生徒]
こんにちは。

[三須]
いつもと違う挨拶を学んでいますが。挨拶してどうですか。

[生徒]
気持よかったです。

[三須]
気持ちよかった。テニスしながら挨拶したね。そのあたりでテニスが気持ちよくなったのかな。

[生徒]
はい。

[三須]
ありがとうございました。頑張ってね。もう一人聞いてみましょう。次も女の子です。こんにちは。

[生徒]
こんにちは。

[三須]
今日は、いつもと違う挨拶を教えてもらいましたけど。テニスをしながら元気な声を出していたけどテニス楽しかった。

[生徒]
はい。楽しかった。

[三須]
いつもより大きな声が出ていたと思うけどどうしてかな。

[生徒]
元気な声でと言っていたので。

[三須]
やってみた。ありがとう。テニス頑張ってね。元気な声でと言っていたのでやってみたというのが挨拶の第一歩なんですね。改めて、マナー教室を開いている田中さんに伺います。こういったことを通じてどういうふうに育ってもらいたいと感じていますか。

[田中]
幼稚園でも、園長さんと園児が友達、小学校でも先生と生徒が友達、家庭でも親子が友達、全部友達なんです。やはり、日本の伝統的な礼法には、目上、目下があるんですよ。挨拶は目下から目上にするんですよ。そういう人を思いやるとか敬う気持ちをこの教室で通じて体得して欲しいと思っております。

[三須]
ありがとうございました。授業の始まりより、間違いなく子どもの顔が明るくなってきました。声も出ていると感じがします。毎日なにげなく日常の挨拶を交わしていますが、人のことを思いやる、その理由をかみしめると、これからの挨拶をもっと大切にしたいと思ってくるような気がします。今日は、東京の品川からスポーツを通して子ども達にマナーを学ぶ教室を紹介しました。最後にせっかくなので、私も挨拶の気持ちを姿勢で表したいと思います。今日はありがとうございました。

[村上・神崎]
たぶん、腰を90度に折って「ありがとうございました」と言っていたのでしょう。僕は、将棋を随分長くやっていますけれど、タイトル戦なんかに出ますと、本当に20代の若者達が着物に身をつつんで、将棋を対局する最初に正坐して、盤をはさんで、相対して「お願いします」終わった後も、負けた時も「負けました。ありがとうございました」そういう本当に声を出して挨拶すると、何か勝負がより際立ってみえる。美しくなるという。
そうですね。内も子ども達二人ともスポーツやっています。特に上の子は剣道などで、すべての事にまず挨拶なんです。礼に始まり、礼に終わる。終わった後に一人ずつ先生にお礼に行くんですね。例えば自分の防具の紐がほどけてしまっても、その場で正座してから直すとか、相手に失礼しましたとか必ずあるんです。気持ちの部分、何か一つピーと筋が通りますよね。ご挨拶が上手に出来ると。今日は、マナー教室の中継をお届けしました。